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2026.04.03

副業・兼業のブレーキ役?労働時間通算制度を考える

副業・兼業のブレーキ役?労働時間通算制度を考える
現在の労働基準法では、副業・兼業を行う場合、労働時間を通算する必要があります。
この通算方法には、次のようなルールがあります。

【労働時間通算のルール】
①労働契約締結の先後の順に労働時間を通算する
②所定外労働の発生順に所定外労働時間を通算する
この①②の順で労働時間を通算することが求められており、
これが結果として、勤務型の副業・兼業の促進を妨げる要因となる可能性があります。

【なぜ割増賃金があるのか?】
そもそも、所定外労働に割増賃金が設定されている理由は、
使用者による長時間労働を抑制することにあります。
しかし、副業・兼業の場合は事情が異なります。
・労働者が自らの意思で副業・兼業を選択している
・使用者が一方的に長時間労働を強いているわけではない
この点で、割増賃金制度の本来の趣旨とは必ずしも一致しません。

【それでも「通算しない」のは問題?】
一方で、副業・兼業の労働時間をまったく通算しないとどうなるでしょうか。
・労働時間が際限なく増える
・長時間労働による健康障害のリスクが高まる
このため、『 健康確保の観点から労働時間の把握・通算は必要』という考え方自体は、一定の合理性があります。

【欧州諸国の考え方】
欧州諸国(フランス・ドイツ・オランダ・イギリスなど)では、次のような仕組みが採られています。
・実労働時間は通算する
・割増賃金の算定にあたっては通算しない

つまり、
・健康管理のために労働時間は把握する
・しかし、副業先にまで割増賃金の負担は求めない
という考え方です。

【具体例で比較してみる】
前提条件
・A社:1日8時間、時給1,500円
・B社:1日3時間、時給2,000円
・月20日勤務

≪現行法制の場合≫
A社/8時間 × 1,500円 × 20日= 240,000円/月
B社/3時間 × 2,000円 × 割増率25% × 20日= 150,000円/月

・月間の通算労働時間は 220時間
・36協定の特別条項が必要

≪欧州形式の場合≫
A社/変更なし= 240,000円/月
B社/3時間 × 2,000円 × 20日=120,000円/月

・通算労働時間は同じく 220時間
・36協定の特別条項が必要
【欧州形式のメリット】
欧州形式を採用した場合、
・特別条項の範囲内(年間6か月まで)であれば就業可能
・それ以上の長時間労働は不可
・使用者の不必要な割増賃金負担を削減
・労働時間管理により健康にも配慮可能
といった、バランスの取れた制度設計が可能になります。

【今後の動き】
現在、副業・兼業における労働時間通算の在り方については、労働政策審議会において、上記のような考え方をベースに検討が進められています。
今後の制度改正の動向にも、引き続き注目していく必要があるでしょう。
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