2025.09.05
雇用均等基本調査が映す、日本社会の新たなフェーズ

≪雇用均等基本調査とは?≫
厚生労働省が毎年実施している「雇用均等基本調査」は、企業における女性の雇用状況や育児・介護休業制度の利用状況を明らかにする重要な統計調査です。この調査結果は、男女の均等な機会と待遇の確保、仕事と家庭の両立支援といった政策の立案に役立てられています。また、各種白書の作成や研究機関での利用、企業の雇用管理データとしても幅広く活用されています。
今回は、先日発表された令和6年度の調査結果から、日本の現状と課題について深掘りしていきます。
≪正社員・正職員の男女比率は依然として男性優位≫
令和6年度の調査によると、正社員・正職員全体に占める男女比率は、男性/72.4%に対し女性/27.6%となっています。
基幹的な業務を担う「総合職」では男性の割合が78.1%とさらに高く、女性は21.9%にとどまっています。勤務地の制限がある「限定総合職」や、基幹的な業務が少ない「一般職」でも女性の割合は男性を下回っており、職種を問わず男性優位の状況が続いています。
厚生労働省が毎年実施している「雇用均等基本調査」は、企業における女性の雇用状況や育児・介護休業制度の利用状況を明らかにする重要な統計調査です。この調査結果は、男女の均等な機会と待遇の確保、仕事と家庭の両立支援といった政策の立案に役立てられています。また、各種白書の作成や研究機関での利用、企業の雇用管理データとしても幅広く活用されています。
今回は、先日発表された令和6年度の調査結果から、日本の現状と課題について深掘りしていきます。
≪正社員・正職員の男女比率は依然として男性優位≫
令和6年度の調査によると、正社員・正職員全体に占める男女比率は、男性/72.4%に対し女性/27.6%となっています。
基幹的な業務を担う「総合職」では男性の割合が78.1%とさらに高く、女性は21.9%にとどまっています。勤務地の制限がある「限定総合職」や、基幹的な業務が少ない「一般職」でも女性の割合は男性を下回っており、職種を問わず男性優位の状況が続いています。
≪新規学卒者の採用状況に見る課題≫
令和6年春卒業の新規学卒者を採用した企業の割合は20.6%と、前回調査(22.6%)から2.0ポイント減少しました。
採用内訳を見ると、「男女とも採用」した企業は36.4%である一方、「男性のみ採用」が37.3%、「女性のみ採用」が26.3%という結果でした。特に「男性のみ採用」の理由として最も多かったのが「女性の応募がなかった」/71.2%という点は注目に値します。これは、女性が特定職種への応募を躊躇する背景や、企業側の採用活動における課題を示唆している可能性があります。
≪女性管理職の登用は停滞傾向≫
企業の女性管理職の状況を見ると、課長相当職以上の女性管理職を有する企業割合は54.9%(令和5年度54.2%)、係長相当職以上の女性管理職を有する企業割合は64.4%(同62.7%)となっています。
しかし、統計データがある平成21年度と比較すると、課長相当職以上で58.0%、係長相当職以上で65.4%であり、この15年間でほぼ横ばいか微減という結果です。このことから、企業における女性管理職の登用が依然として進んでいない現状が浮き彫りになります。
令和6年春卒業の新規学卒者を採用した企業の割合は20.6%と、前回調査(22.6%)から2.0ポイント減少しました。
採用内訳を見ると、「男女とも採用」した企業は36.4%である一方、「男性のみ採用」が37.3%、「女性のみ採用」が26.3%という結果でした。特に「男性のみ採用」の理由として最も多かったのが「女性の応募がなかった」/71.2%という点は注目に値します。これは、女性が特定職種への応募を躊躇する背景や、企業側の採用活動における課題を示唆している可能性があります。
≪女性管理職の登用は停滞傾向≫
企業の女性管理職の状況を見ると、課長相当職以上の女性管理職を有する企業割合は54.9%(令和5年度54.2%)、係長相当職以上の女性管理職を有する企業割合は64.4%(同62.7%)となっています。
しかし、統計データがある平成21年度と比較すると、課長相当職以上で58.0%、係長相当職以上で65.4%であり、この15年間でほぼ横ばいか微減という結果です。このことから、企業における女性管理職の登用が依然として進んでいない現状が浮き彫りになります。
≪育児休業取得率は男女ともに大幅に増加≫
一方で、育児休業の取得状況には明るい兆しが見られます。
令和4年10月1日から令和5年9月30日までの1年間に在職中に出産した「女性の育児休業取得割合」は86.6%と、前回調査(84.1%)より2.5ポイント上昇しました。
さらに注目すべきは男性の育児休業取得割合です。令和4年10月1日から令和5年9月30日までの1年間に配偶者が出産した「男性の育児休業取得割合」は40.5%と、前回調査(30.1%)より10.4ポイントの大幅な上昇を見せました。
データがある平成8年度と比較すると、女性は49.1%から86.6%へ37.5ポイント、男性は0.12%から40.5%へ39.3ポイントの増加となっています。
特に男性の育児休業取得率は、令和元年と比較して5.4倍と飛躍的に増加しており、男性の育児参加への意識が大きく変化していることがうかがえます。
≪まとめ:進む育児参加と停滞する女性活躍≫
今回の調査結果からは、女性の社会進出、特に基幹的な職務や管理職への登用が、個人的なイメージよりも進んでいない現状が確認できました。これは、職種における男女比率や女性管理職割合のデータからも明らかです。
一方で、育児休業については、男女ともに取得率が大幅に増加していることが確認でき、特に男性の育児参加に対する意識と行動の変化は目覚ましいものがあります。
雇用均等基本調査では、今回取り上げた項目以外にも、ハラスメント、介護休業制度、多様な正社員制度などに関する多岐にわたるデータが公表されています。これらの詳細については、また次の機会に深掘りしていきたいと思います。
今回の結果をご覧になって、皆さんはどのようなことを感じられましたか?
一方で、育児休業の取得状況には明るい兆しが見られます。
令和4年10月1日から令和5年9月30日までの1年間に在職中に出産した「女性の育児休業取得割合」は86.6%と、前回調査(84.1%)より2.5ポイント上昇しました。
さらに注目すべきは男性の育児休業取得割合です。令和4年10月1日から令和5年9月30日までの1年間に配偶者が出産した「男性の育児休業取得割合」は40.5%と、前回調査(30.1%)より10.4ポイントの大幅な上昇を見せました。
データがある平成8年度と比較すると、女性は49.1%から86.6%へ37.5ポイント、男性は0.12%から40.5%へ39.3ポイントの増加となっています。
特に男性の育児休業取得率は、令和元年と比較して5.4倍と飛躍的に増加しており、男性の育児参加への意識が大きく変化していることがうかがえます。
≪まとめ:進む育児参加と停滞する女性活躍≫
今回の調査結果からは、女性の社会進出、特に基幹的な職務や管理職への登用が、個人的なイメージよりも進んでいない現状が確認できました。これは、職種における男女比率や女性管理職割合のデータからも明らかです。
一方で、育児休業については、男女ともに取得率が大幅に増加していることが確認でき、特に男性の育児参加に対する意識と行動の変化は目覚ましいものがあります。
雇用均等基本調査では、今回取り上げた項目以外にも、ハラスメント、介護休業制度、多様な正社員制度などに関する多岐にわたるデータが公表されています。これらの詳細については、また次の機会に深掘りしていきたいと思います。
今回の結果をご覧になって、皆さんはどのようなことを感じられましたか?